制服のお手入れ
毎日着用する制服。3年間いつもきれいで清潔な状態にしたいものです。
制服のケアのしかたはそれぞれの素材や形状によって違います。
長く着られるように、家庭洗濯やドライクリーニングの場合も洗濯表示をチェックして正しいお手入れをしましょう。
毎日のお手入れ
洋服のお手入れの基本を制服から学びましょう。
01 脱いだ制服はすぐにハンガーにかける
シワや型くずれを防ぎます。
制服をかけておく場所を用意。
スラックスは裾をハンガーのピンチで止めて、さかさまに掛けると、スラックス自体の重さでシワ等を回復させる効果があります。
02 ブラシをかける
制服は意外と土ぼこりやチョークなど、色々なホコリがつきやすいものです。
※ブラシのかけかた
制服をハンガーに掛けて、布地の目に沿うように上から下へ一方向にブラシを動かして、ホコリをはらいましょう。
03 ポケットの中を空に
ポケットに重いものをいれたままにすると、型くずれの原因になります。
制服と一緒に揃えておきたいお手入れGOODS
洋服ハンガー
服のサイズに合ったハンガーを選びましょう。型くずれを防ぐには厚みのあるものがおすすめです。
洋服ブラシ
様々な毛の種類(豚、ナイロン)がありますが、ブラシは硬すぎず適度に毛にコシがあるものがおすすめです。
スラックスハンガー
スラックスもハンガーにかけてシワを伸ばしておきましょう。
アイロン
アイロンはスチームとドライの切替え機能が付いた、温度設定(低・中・高など)のできるものが使いやすいです。
雨でぬれてしまったら
制服を雨に濡れたままにしておくと、シミやカビの原因になることがあります。
軽く濡れた程度でしたらタオル等で表面の水気をとり、ハンガーに掛けて風通しの良いところに陰干しして下さい。
家庭での洗濯のしかた
制服には家庭洗濯できるものとできないものがあります。
ここでは家庭洗濯できる制服の洗濯のしかたについてご説明します。但し特殊な素材や付属の付いているものは家庭洗濯できません。
詳しくは制服についている洗濯絵表示をご確認下さい。
- 釦がとれかかっていたり、ほつれていたりしないかチェック
そのまま洗濯すると釦を紛失したり、ほつれが大きくなったりしますので、 外してから洗濯するようにしましょう。 - シミの有無をチェック
汚れのひどいシミは洗濯前のケアが大切です。 ⇒ 「シミが付いてしまったら」参照 - ポケットの中のホコリをはらい出す
- 上衣の前ボタンとカラーをはずして下さい。またスラックスのファスナーは閉じて下さい。
ソフトインカラー及びカラーインカラーの上衣については前ボタンのみはずして下さい。 - 水は30℃以下の水を使用
生地が劣化する場合がありますので、お風呂の残り湯など温度の高いお湯は使わないで下さい。 - 洗剤は「中性洗剤」を使用
一般的に「ウール・おしやれ着用洗剤」や「ドライマーク衣料用洗剤」と表示して販売されています。 通常の合成洗剤はアルカリ性です。塩素系漂白剤は使用できません。
洗濯機洗いの場合
- 洗濯ネットに入れ、制服だけで洗濯
糸くず等が付着するのを防ぐためです。 - 「ドライ」「手洗い」など標準よりも弱水流のコースを選択
家電メーカーによりコース表現が異なります。詳しくは洗濯機の説明書をご確認下さい。 - 脱水は30~60秒
長時間の脱水は型くずれやシワの原因になる場合があります。制服を長時間濡れたまま放置しないで下さい。
手洗いの場合
- 制服のみで洗濯
生地同士がこすれて、生地が痛むのと、糸くず等が付着するのを防ぐためです。 - 上からやさしく押し洗い
きつく揉んだり生地同士をこすり合わせたりすると、生地が毛羽立って毛玉の原因になります。 - 押し洗いの要領でやさしくまんべんなく押しながら脱水
制服をねじってしぼると、生地に負担がかかり、シワや型くずれの原因になります。
- 軽くシワをのばして形を整え、ハンガーにかけて陰干し
風通しのよい日陰に吊ります。
制服は乾燥機で乾燥させないで下さい。
タンブラー乾燥機での加熱乾燥は、生地の劣化、芯地の縮みなど、型くずれの原因になるため、使用しないで下さい。
特に羊毛(ウール)は、デリケートな天然繊維で熱に弱く、縮んだり、型くずれする場合があります。くれぐれも乾燥機の使用はお避け下さい。
知っておこう洗濯絵表示
制服の内側に品質表示がついています。
これには材質や洗濯方法に関する注意事項がわかりやすく絵で表示されています。
※クリーニングの際に必要となりますので、切り取ったりしないようにして下さい。
水洗い
洗濯機洗い
水流の強さ ... 「弱」の場合、弱水流使用。
水温 ... 「30」の場合、30℃が上限。
洗剤の種類 ... 「中性」の場合、中性洗剤(おしやれ着用洗剤)使用。
手洗い
水温 ... 「30」の場合、30℃が上限。
手洗い不可
水洗いできません。
ドライクリーニング
ドライクリーニング
溶剤の種類 ... この場合、ドライクリーニングで使用される有榛溶剤が石油系のものになります。
ドライクリーニング不可
ドライクリーニングできません。
漂白
塩素系漂白剤使用可能
塩素系漂白剤による漂白をすることができます。
塩素系漂白剤使用可能不可
塩素系漂白剤による漂白はできません。
絞りかた
脱水
脱水強度 ... この場合、遠心脱水(洗濯機脱水)は30~60秒程度。
【手絞りの場合は弱く】
脱水不可
脱水できません。
干しかた
つり干し・日陰干し
干し方 ... この場合は、つり干し。
干す場所 ... この場合は、風通し良い日陰。
平干し
干し方 ... この場合は、平干し。
平らな場所に広げて干して下さい。
アイロン
アイロン掛け
温度設定 ... この場合は、中温
低=80~120℃
中=140~160℃
高=180~210℃
アイロン掛け 当て布
この場合は、あて布使用。
平らな場所に広げて干して下さい。
アイロン掛け不可
アイロン掛けはできません。
シミが付いてしまったら ~部分的に付いた汚れを家庭で落とすための裏ワザ~
「すばやく」「こすらない」が基本です。
シミ汚れは時間がたつほど取れにくくなります。できるだけ速く対処しましよう。
シミ抜きの手順
- シミの付いた部分にタオルやハンカチなどのあて布を当てる。
- シミが付いた布の反対側からブラシや綿棒に液体を付けてたたく。
あまり強くこすり過ぎて生地を傷めないように注意!
※シミの種類によって、「水」or「溶剤」or「洗剤液」を使い分けましょう。 - シミをあて布のタオルやハンカチに移し出す。
- シミ抜きのあとは、洗濯絵表示に沿って洗濯をしましょう。
※それでもシミが取れないときや衣服全体に汚れがついているときは、クリーニング専門店とご相談下さい。
シミ汚れの種類別処理方法
シミ汚れの種類 | ステップ1 | ステップ2 |
---|---|---|
しょう油、ソース、果汁、ケチャップ、カレー、 コーヒー、紅茶、日本茶 |
水またはぬるま湯でたたく | 中性洗剤水溶液でたたく |
血液 | 水でたたく | 中性洗剤水溶液でたたく |
牛乳、バター、衿あか、口紅、ファンデーション、 ボールペン、クレヨン、機械油 |
ベンジンでたたく | 中性洗剤水溶液でたたく |
チューインガム | 冷やしてけずりとる | ベンジンでたたく |
墨汁 | ご飯に石けんを 混ぜたものでもみだす |
石けんで洗う |
泥はね | 乾かないうちに 中性洗剤水溶液でたたく |
よく乾かして ブラシではらう |
カビ | よく乾かして ブラシではらう |
中性洗剤水溶液で もみ洗いする |
アイロンについて
アイロンのかけ方によって仕上がりに差がでます。正しいアイロンのかけ方をマスターしましょう。
アイロンに必要なもの
アイロン
スチームとドライの切替機能がついた、温度設定のできるもの
アイロン台
熱がこもりにくく、蒸気が抜けやすい、テーブルタイプが理想的
あて布
毛羽立ちの少ないハンカチや、日本手ぬぐい等の綿素材のもの
霧吹き
霧が全体にまんべんなく出るもの
~ あると便利 ~
●ハンガースチーマー 強力な高温のスチームで、制服をハンガーに掛けたまま、手軽に
●ハンディスチーマー シワ伸ばしやニオイ取りができるので便利です。
アイロンのスチームとドライの違い
スチーム
浮かしかけ(服より5~10cmアイロンを離した状態)で、ウール素材の制服のシワを伸ばしたり、ふんわりとした風合いを出す時やスラックス等の折り目をつける時に最適。(ブレザー、スラックス等)
ドライ
霧吹き等で布を湿らせて、高温の熱でハリのあるシャキッとした風合いに仕上げるときに最適。
シャツなどで、スブレーのり等を使ってアイロンがけをするときにもドライを使用。
アイロンのかけかた
- アイロンの温度が、制服の洗濯絵表示に合っているか確認。(洗濯絵表示参照)
- アイロンをかける順番は、面積の小さい部分からかけると、アイロンをかけ終わった部分のシワを防ぐことができます。
「シャツの場合」
台衿→衿→カフス→袖→ヨーク→前身頃→後ろ身頃の順 - 服の布目に沿ってアイロンを動かし、生地のシワをのばす。
○ アイロンを勣かす方向を布目に沿って一方方向にすると、すっきりきれいな仕上がりに。
× アイロンをジグザグに動かすと、布がよれてシワの原因になります。
アイロンのコツ
アイロンを持つ反対側の手で、生地を軽く引っ張るように押さえながらアイロンを動かすとスムーズにアイロンをかけることができます。
スラックス・スカートのアイロン
アイロンは当て布をして中温(140~160℃)でかけて下さい。
当て布は、ハンカチや日本手ぬぐいなど繊維のケバ立ちのないものを使用して下さい。
(かけすぎると、テカリの原因になりますのでご注意下さい。)
スカートのヒダは洗濯バサミとめるかアイロン台に平ゴムをかけてヒダを押さえるとアイロンがかけやすくなります。
ドライクリーニングについて知っておきましょう
ドライクリーニングって?
ドライクリーニングとは「水を使わない洗濯」という意味で、代わりに「有機溶剤」が使用されています。有機溶剤は水では落ちにくい「油溶性の汚れ」に強いのが特徴です。
●油溶性の汚れ
化粧品 ワックス マヨネーズ 身体からの油分(皮脂)等
ドライクリーニングの種類は?
ドライクリーニングは2種類あります。
「パークドライ」 ... 主に衣類全般に使用されます。
「フッ素系石油ドライ」 ... 特にデリケートな衣料に使用されます。
パークドライに比べてソフトな洗いになります。
注意
※「水溶性の汚れ」や「不溶性の汚れ」は、ドライクリーニングでは落とすことができません。
この場合は、ウエットクリーニング(水洗いクリーニング)がおすすめです。
ウエットクリーニングについては、クリーニング店にお尋ね下さい。
この洗濯表示の場合には石油系のものになります。
汚れやシミがついている時は、その場所と原因をお店の人に伝えましょう。
シーズンオフの保管のしかた
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